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注文住宅にかかる費用の内訳を徹底解説!建物・土地・諸費用の費用相場もご紹介
■ 注文住宅を建てる際にかかる費用の内訳が分かります。
■ 建物や土地に関する諸費用の内容を詳しくご説明します。
■ 建物本体代金だけでなく、トータル的な資金計画を立てることの重要性を解説します。
「注文住宅を建てたいけれど予算が中々決められない」と感じている方も多いのではないでしょうか。
その原因は、家づくりにかかる全ての費用の内訳を把握していないからかもしれません。
何にお金が掛かるのかが明確でないと、家づくりの総額がわかりにくく、正しい資金計画も立てられません。
そこで今回は、注文住宅にかかる費用の内訳を徹底解説します。
建物・土地の費用や諸費用の細かな内容をお伝えしますので、ぜひ参考にしてみてくださいね。
目次 |
注文住宅の費用
住宅の広告やSNSなどで見ることのある「本体価格〇〇円」は、建物本体のみの値段を表している場合が多いです。
しかし、注文住宅を建てる際にかかる費用は建物の建築費だけではありません。土地にかかるお金や諸費用など、様々な項目で構成されています。
そのため、建物の費用だけをイメージしていると「思ったより高かった」となってしまいますので注意が必要です。
事前にどのようなお金がかかるのか理解しておきましょう。
建物本体工事費用の内訳
まずは、建物の本体工事にかかる費用をご紹介します。
こちらの費用は、建物に関連する工事全体に対して70~80%程度の割合を占めるケースが多いです。
具体的な工事の内訳を確認しましょう。
仮設工事
仮設工事は、建物を建て始める前段階に必要な工事です。
具体的に次のような工事があります。
- 仮設電気や水道の引き込み
- トイレの設置
- 現場の囲い(フェンス等)
- 足場の組み立て
足場の組み立ては、基礎工事後~上棟前に施工します。
仮設工事は基本的な坪単価の中に含まれているケースが一般的です。
基礎工事
基礎工事は、建物を支える土台となる工事で、仕上がりによって強度や耐震性が大きく変わります。
住宅の基礎は次の2種類が採用されるケースが多いです。
(画像素材入れる)
- ベタ基礎:立ち上がり部分と地盤面全体に鉄筋を組み、コンクリートを流し込んだ基礎
- 布基礎:立ち上がり部分のみに鉄筋を組み、コンクリートを流し込んだ基礎
布基礎の方が工事費用は抑えられますが、ベタ基礎の方が強度を保ちやすいです。
床面に鉄筋が組まれているかどうかが、ベタ基礎と布基礎の大きな違いです。
地中からの湿気対策のために、布基礎でも床面にコンクリートを流すケースもあります。
木工事
木工事は、大工さんが施工する工事のことです。
土台敷きや上棟から始まり、建物の骨組みを作り上げ、窓なども施工していきます。
費用も時間も一番比重の多い工事です。
必要な費用として、次のようなものが挙げられます。
- 大工手間(大工さんの人件費)
- 材料
・プレカット(構造材)
・下地材
・造作材
このように、木工事費は大工さんの人件費と各材料費で構成されています。
また、住宅会社の構造や建物の面積・形状によって、金額が大きく変動します。
外装工事
外装工事は、建物の外回りに関する工事です。
外装工事では、屋根材・外壁材の種類によって、工事金額に差が付きます。
具体的には、次のような工事です。
- 外壁工事
- 板金工事
- 屋根工事
- 防水工事
- 左官工事
- 塗装工事
ほかにも、玄関ポーチなどの床タイル貼りや、窓モール、妻飾りなどの装飾なども外装工事になります。
なお、木工事や内装工事と同時並行で行われるケースが多いです。
内装工事
内装工事とは、建物を仕上げるための工事です。
具体的には次のような施工内容があります。
- ボード工事
- クロス工事
- 床仕上げ工事
- 建具工事
ほかにも、巾木や笠木などの内装部材の施工も内装工事になります。
内装工事は、建物によって工事内容は様々で、金額にも幅があります。
大工さんと内装業者さんが交互に現場に出入りするタイミングです。
また、造作家具を採用する場合は、木工事〜内装工事の期間中に製作や設置などが行われます。
設備工事
設備工事とは、建物に必要な水回りや空調、換気などの設備を設置する工事のことです。
具体的には、次のような設備があります。
- 換気システム
- キッチン
- 浴室
- 洗面台
- トイレ
- 空調(エアコン・全館空調など)
他にも様々な設備があり、住宅会社によって採用する設備の内容は異なります。
水回り設備のグレードや換気・空調設備の内容などによって、価格が変動するケースが多いです。
電気工事
電気配線、分電盤、照明器具などを設置するための工事です。電気配線は壁内・天井内に隠れるため、上棟後に施工するのが一般的です。
この作業により、設置する照明スイッチやコンセントの数や位置などが決定します。
給排水衛生設備工事
水の供給と排水を適切に行うために「給排水設備」と「衛生設備」の設置をする工事です。
給排水の配管の大部分は床下に施工するため、基礎工事完了後に先行配管工事を行い、設備が取り付けられた後に配管を接続します。
ガス工事
ガスの供給や使用を安全に行うための工事です。
配管、ガスメーターの設置、ガス機器の設置などがこれにあたります。
設計費・工事管理費
設計費は、注文住宅の外観や間取りなどを決定したり、設備や構造などを設計するための費用です。住宅会社によっては工事費に含まれていることもあります。
工事管理費は、施工業者との調整や現場監督を行い管理をしていくための費用です。
付帯工事費用
付帯工事費用とは、建物に関する建物本体以外の関連工事にかかる費用のことです。
建物に関連する工事全体に対して15〜20%を占めるケースが一般的ですが、敷地の状況などによって異なります。
屋外給排水工事・屋外電気工事・屋外ガス工事
屋外給排水工事・屋外電気工事・屋外ガス工事とは、敷地の外から敷地内まで水道やガス本管、電気配線を引き込む工事のことです。
水道や都市ガスは道路から、電気は電線から引込工事を行います。
プロパンガスの場合はガスボンベによる供給になるため、敷地外からの引込工事はありません。
排水に関しては、本下水エリアは直接道路に埋め込まれた配管に接続しますが、敷設されていないエリアは浄化槽を敷地内に設置しなければなりません。
本下水と浄化槽どちらかによって、工事費用が数十万円単位で異なるため事前に確認しておきましょう。
解体・整地工事
解体・整地工事とは、敷地内の不要物を壊して撤去したり、建物が建てられるように敷地を整えたりする工事です。
敷地の状況によって、不要なケースもあります。
古家や不要な庭木・塀などがある場合は、着工前に解体・撤去します。
購入する土地によっては、売主側で対応してくれるケースもありますので、契約前に条件を確認しましょう。
地盤改良工事
地盤改良工事とは、地盤が軟弱だった場合に補強する工事のことです。
建物を建てても問題ない強度の地盤なら、工事する必要はありません。
地盤の軟弱さによって、工事費用に差が付きます。
着工前に地盤調査を行うため、土地の購入時には地盤の強さは分かりません。
そのため、地盤改良工事費用はあらかじめ予算を確保しておくことをおすすめします。
外構工事
外構工事とは、建物周囲の敷地に対する工事のことです。
具体的には次のような工事があります。
- 駐車スペース
- アプローチ
- 庭
- 境界のブロック・フェンス・塀
- 門柱・門扉
- ウッドデッキ・テラス
建物が完成したあとにすぐに工事をする人もいますが、隣との境界のためのブロック・フェンスや家までのアプローチ部分など最低限の工事だけをして、残りを入居後に完成させる方もいます。
土地の面積や工事内容によって、数十万〜数百万円単位で費用が変動するため、早めの計画と予算取りが大切です。
土地にかかる費用の内訳
土地にかかる費用についてお伝えします。
建物同様、本体代金以外にも様々な費用が必要ですので、チェックしてみてくださいね。
本体代金
本体代金とは、土地そのものの売買価格です。
エリアや面積など、様々な条件によって価格が決められています。
値引きができる物件もありますので、住宅会社に協力してもらいましょう。
仲介手数料
仲介手数料とは、不動産会社が売主と買主の仲介をしている場合に支払う費用です。
販売の形態が「売主」なら、仲介が入っていないため手数料はかかりません。
仲介手数料は、次の速算式で算出できます。
土地購入代金 | 仲介手数料の計算式 |
200万円まで | 土地価格 × 5% + 消費税 |
200万円以上400万円以内 | 土地価格 ×(4%+2万円)+ 消費税 |
400万円以上 | 土地価格 ×(3%+6万円)+ 消費税 |
例えば、1,000万円の土地の場合なら39.6万円です。
土地の購入代金によって計算式が異なるため注意しましょう。
登記費用
土地を登記する際にかかる費用です。
登録免許税の他に、登記を依頼する司法書士への報酬がかかります。
土地の評価額によって登録免許税は異なりますので事前にチェックしましょう。
印紙代
印紙代とは、土地の契約書に添付する印紙の購入費用です。
令和9年3月31日までは軽減税率が適用されており、契約金額に対して以下の印紙代がかかります。
軽減税率後の印紙代 | |
500万円超 1,000万円以下 | 1,000円 |
500万円超 1,000万円以下 | 5,000円 |
1,000万円超 5,000万円以下 | 1万円 |
印紙は郵便局で購入することができます。
電子契約の場合は印紙が不要ですので、費用を削減することが可能です。
固定資産税・都市計画税
固定資産税・都市計画税とは、不動産の所有者が毎年支払う地方税です。
土地を所有した日からの日割り計算で、固定資産税・都市計画税も支払います。
その年の税金は売主が全額支払っているケースが多いため、一般的には日割り計算で算出した額を売主に渡すケースが一般的です。
例えば、7月1日に土地を所有した場合、7月1日〜12月31日までの半年分を買主が負担します。
売買した日や土地の評価額によって金額が異なります。
諸費用
その他にかかる諸費用を確認しましょう。
ローンに関する費用
住宅ローンを借入する際にかかる費用で、次のような項目があります。
事務手数料 | 金融機関に支払う手数料 |
保証料 | 保証会社に保証してもらうための費用 |
抵当権設定の登記費用 | 所有権についてや土地を担保に入れることを登記する費用 |
印紙代 | 契約書に貼る印紙代 |
団体信用生命保険料 | 万が一の際にローン返済がゼロになる保険に対する費用 |
住宅ローンを借入するには様々な費用がかかります。
団体信用生命保険料については、住宅ローン金利に含まれているケースも多いです。
ガン特約や三大疾病特約などを選択する場合、保険料が上乗せされます。
保険料(火災・地震など)
火災保険や地震保険などの、住まいや家財に対する保険料もかかります。
加入は個人の自由ですが、原則として住宅ローンを借入する場合は、火災保険の加入が条件になっているケースがほとんどです。
掛金やエリアによって費用が異なり、年払いも可能ですし最長で5年払いも選択できます。
地鎮祭・上棟式
地鎮祭や上棟式は、工事の無事を祈願するための儀式です。
工事の着工前に地鎮祭を行い、上棟日に上棟式を行います。
地鎮祭では神主さんに初穂料をお渡しすることが一般的です。
上棟式は盛大にやらない方も増えてきていますが、職人さんへの差し入れやお礼を用意される方もいます。
住宅会社によっても対応は異なりますので、担当者に事前に確認しておきましょう。
家具家電購入費・引越し代
家具・家電の購入費や引越し代は家づくりに直結しませんが、多くの方が必要になる費用です。
家具は、ソファやローテーブルなどのリビングで使うもの、ダイニングセット、カーテンなど、家電は、冷蔵庫や洗濯機、テレビなどが含まれます。
これまで使っていたものを使う人もいますが、住まいと共に新しくする人も多いです。
そのほか、消耗品なども含めるとかなりの額になるので、事前にしっかり予算取りしておくことで、手元に残しておくべき費用が明確になりますので、忘れずに確認しておきましょう。
ものによっては、住宅会社に依頼することでローンに含めることができる可能性があるので一度相談してみると良いでしょう。
まとめ
注文住宅を建てるためには、建築費用以外にも様々なお金がかかります。
建物・土地・諸費用の各項目の内容を理解し、費用の内訳を把握しておくことが大切です。
満足の行く注文住宅を納得のいく金額で建てるために、それぞれの項目ごとに適切な予算を確保してくださいね。
おうちモールでは、家づくりの適正予算診断を実施しております。
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