「40坪くらいの家を建てたい」と漠然と考えている方もいるでしょう。 実際に注文住宅を30~40坪で建てる方はたくさんいます。 しかし、40坪の建物がどのくらいの広さで、どのような間取りが作れるのか具体的にイメージするのは簡単ではありません。 何となく40坪と考えていても、実際に要望に合わせて設計したら40坪以下で十分だったり、40坪では足りなかったという場合もあります。 この記事では、40坪の注文住宅の目安となる価格や間取りについて解説します。
目次
- 40坪とはどれくらいの広さか?
- 40坪の注文住宅を建てるのに必要な土地
- 40坪の注文住宅の間取り例
- 40坪の注文住宅の間取りの考え方やコツ
- 40坪の注文住宅で叶うお洒落な外観
- 40坪の注文住宅のキッチンおすすめ
- 40坪の注文住宅の玄関おすすめ
- まとめ
40坪とはどれくらいの広さか?
では、40坪とは具体的にどのくらいの広さなのかを考えてみましょう。
1坪は2畳なので40坪は80畳の広さ、つまり40坪は畳80枚分の空間のことです。
平米に直すと約132平米の広さです。
これでもまだ広さの感覚はイマイチ掴めませんよね。
具体的なものと比較してみましょう。
※最近できた学校はもう少し広い場合もある
つまり、40坪の家は教室や柔道の試合会場を2つ分よりも少し広いことが分かります。
総二階の家を建てる場合、各階の面積は教室1つ分くらいとイメージすると良いでしょう。
ちなみに、40坪の家は一般的な住宅と比べて広いのでしょうか。国土交通省の令和3年度住宅経済関連データに、持家の延べ床面積の平均(平成30年調査)が発表されています。
- 全国:119.91㎡(36.27坪)
- 東海地方:129.49㎡(39.17坪)
参考資料:令和3年度 住宅経済関連データ – 国土交通省
全国的に見ると、40坪の注文住宅は広めです。しかし、愛知県が含まれる東海地方では40坪の家は平均的な広さと言えるでしょう。
ただし、住む人数や生活スタイルによって40坪の家が広いか狭いかの感覚は変わります。自分達の暮らし方をよく考えて、無駄がなく過ごしやすい広さのマイホームを建てることが大切です。
40坪の注文住宅の相場はどれくらい?
では、40坪の注文住宅の相場について解説します。 同じ40坪でも、ハウスメーカーの坪単価によって価格帯は大きく異なります。 坪単価ごとに40坪の注文住宅の価格を見てみましょう。
坪単価 |
40坪の注文住宅の価格(税込) |
40万円 |
1,760万円 |
45万円 |
1,980万円 |
50万円 |
2,200万円 |
55万円 |
2,420万円 |
60万円 |
2,640万円 |
65万円 |
2,860万円 |
70万円 |
3,080万円 |
75万円 |
3,300万円 |
80万円 |
3,520万円 |
1,000万円台で注文住宅を建てられるハウスメーカーは限られてきます。 そのため、40坪の建物を考えるなら、2,000万円台の予算を確保することが妥当です。 2,600万円前後の価格が、40坪の注文住宅の相場ではないでしょうか。 ただし、オプションを付けて大幅に金額が上がることも少なくありません。 特に注文住宅はこだわりが多いほど金額が上乗せされます。 同じハウスメーカーで40坪の建物を建てても、採用する仕様によって数百万円の金額差がつくこともあるでしょう。 表の金額はあくまで目安と考えてください。 また、紹介した金額は建物本体だけの価格です。 他にも土地代金や様々な諸費用がかかるので、それも踏まえて資金計画を建てましょう。
40坪の注文住宅を建てるのに必要な土地
40坪の注文住宅を建てるには、何坪の土地を用意すれば良いのでしょうか。平屋を建てるなら40坪以上、総二階の家を建てるなら20坪以上あれば、物理的には建物を建てることができます。しかし、様々な法令や制限によって、実際にはもっと広い土地が必要です。
具体的には、その土地に対する「建ぺい率」と「容積率」が建物面積に大きく関わってきます。
- 建ぺい率:敷地面積に対する建築面積の割合
- 容積率:敷地面積に対する延べ床面積の割合
建ぺい率とは、土地を真上から見たときに建物が占めている割合のことを言います。容積率とは延べ床面積の割合なので、二階建ての建物であれば各階の床面積の合計が敷地に対して何割占めているかという意味です。
建ぺい率と容積率は、都市計画法で指定された用途地域によって定められているため、その範囲内で建物を建てなければなりません。
例えば、60坪の土地に対して建ぺい率が50%で容積率が100%の場合、何坪の家が建てられるのか考えてみましょう。
- 可能な建築面積=60坪×建ぺい率50%=30坪
- 可能な延べ床面積=60坪×100%=60坪
建築面積が30坪以下で、延べ床面積が60坪以下の建物が建てられることが分かります。建ぺい率や容積率がもっと低いと、40坪の家が建てられない可能性があるため注意が必要です。
仮に同じ面積の土地だったとしても、用途地域によって割合が違うので、建てられる建物の面積は異なるという仕組みです。そのため、一概に何坪の土地であれば40坪の建物が建てられるとお伝えすることはできません。他にも斜線などのさまざまな制限もありますからね。マイホーム建築前に必ず法令や制限を確認し、40坪の建物が建てられる土地を選びましょう。
40坪の注文住宅の間取り例
では、40坪の注文住宅でできる間取りについて考えてみましょう。 40坪の建物なら、4~5LDKの間取りにすることが可能です。 それぞれの広さの割り振りを確認しましょう。 まずは4LDKの場合です。
- LDK:20~22畳
- 部屋①:6~10畳
- 部屋②:6~10畳
- 部屋③:6~7畳
- 部屋④:6~7畳
- 玄関:4~6畳
- 風呂・洗面・トイレ:6~7畳
- 階段:4~5畳
- バルコニー:2畳
- 廊下等:3~4畳
あくまで一般的な間取りです。 各空間には収納も含まれています。 部屋①には、ウォークインクローゼットのような大きな収納を付けて、部屋②を少しコンパクトにしても良いでしょう。 続いて5LDKの場合です。
- LDK:20~22畳
- 部屋①:6~9畳
- 部屋②:6~7畳
- 部屋③:6畳
- 部屋④:6畳
- 部屋⑤:6畳
- 玄関:4~6畳
- 風呂・洗面・トイレ:6~7畳
- 階段:4~5畳
- バルコニー:2畳
- 廊下等:3~4畳
部屋以外の空間の広さは変えず、1部屋増やした間取りです。 各部屋の広さのバランスはお好みで調整してください。 ちなみに、3LDKにして部屋以外の空間を広くしたり、+αの空間を作ることもできます。
- LDK:22~25畳
- 部屋①:6~10畳
- 部屋②:6~7畳
- 部屋③:6~7畳
- 玄関:4~6畳
- 風呂・洗面・トイレ:6~8畳
- ランドリールーム:3畳
- 書斎:3畳
- 階段:4~5畳
- バルコニー:2畳
- 廊下等:3~4畳
LDKや水回りを広くして、ランドリールームと書斎を設けたプランです。 趣味の空間を作りたい方や、家事を楽にしたい方は部屋数を減らして、+αの空間を採用してください。
40坪の注文住宅の間取りの考え方やコツ
①必要な空間・部屋数を考える ②置きたい家具を考えて空間の広さを決める ③贅沢だけど取り入れたい空間を考える
それぞれ確認していきます。
①必要な空間・部屋数を考える
まずは必要な空間や部屋数を考えましょう。 最初は、寝室や子供部屋など必要な部屋の数を決めてください。 次に、無くても生活はできるが、あったら生活が豊かになるスペースについてです。 空間の例をいくつか紹介します。
- ファミリークローゼット
- ランドリールーム
- 土間つきのパントリー
- 家事ルーム
3~4LDKで40坪の建物を建てるなら、ある程度空間の余裕があります。 そのため、上記のような+αの空間を採用してもいいでしょう。
②置きたい家具を考えて空間の広さを決める
必要な空間が決まったら、置きたい家具のサイズに合わせた空間づくりをしましょう。 例えば、5人家族なのに4人掛けのテーブルしか置けないダイニングでは、快適な生活は送れません。 また、セミダブルのベッドを2つ置きたいのに、6畳の寝室では窮屈です。 このように、家具のサイズに合わせて空間を考えてみてください。 子供部屋も本格的な学習机を置くか置かないかで、必要な広さは大きく異なります。 細かい大きさが選べる収納棚などは、間取り確定後にサイズを検討しても問題ありません。 しかし、ベッドやダイニングテーブルなどの大型家具のサイズは予め決めておきましょう。
③贅沢だけど取り入れたい空間を考える
必要な空間や広さが決まったら、最後に贅沢だけど取り入れたい空間を考えてみましょう。 こちらは、空間にゆとりがあったら採用してください。 ただし、要望の順位が高い空間に関しては、①のときに必要な空間として考えます。 具体的な例を紹介します。
- シアタールーム
- 小上がりの畳コーナー
- 楽器が演奏できる部屋
坪数と予算を考えながら、取り入れられそうなら採用しましょう。
40坪の注文住宅で叶うお洒落な外観
40坪の注文住宅におすすめな外観をおすすめします。 基本的には、40坪の大きさがあれば、どのような外観でも問題ありません。 いくつかの例を紹介します。
屋根のかけ方が複雑な外観
40坪の建物はある程度の大きさがあるため、複雑な屋根にしてもごちゃごちゃしません。 すっきりとかっこいい印象を与えることができるでしょう。 洋風の三角屋根や和風の寄棟などでも同じことが言えます。 どんなテイストでも合うので、屋根のかけ方のバリエーションが増えるでしょう。
キューブ型の外観も存在感があってかっこよく仕上がる
キューブ型は屋根がない分、建物がコンパクトに見えやすいです。 しかし、40坪の面積ならば、存在感のあるかっこいいモダン系の建物に仕上げることができるでしょう。 建物の方に凹凸をつけると、さらに大きく見えるのでおすすめです。
大容量の太陽光を搭載した外観
床面積の広い家は、屋根の面積も広いのでたくさんの太陽光パネルを載せることができます。 上の写真は三角形の切妻屋根ですが、1枚の片流れ屋根にすれば倍近くの太陽光パネルを載せることも可能です。 大容量の太陽光発電システムを採用したい方に、40坪の注文住宅はおすすめでしょう。
40坪の注文住宅のキッチンおすすめ
40坪の注文住宅でおすすめなキッチンを紹介します。 広めのLDKを確保できるので、I型以外のキッチンも検討できます。
アイランドキッチン
アイランドキッチンは、キッチンの両側を通路として確保しなければいけません。 そのため、約6~7畳の空間が必要になることもあります。 40坪の注文住宅ならキッチンを広めに確保して、アイランドキッチンで広々と調理を楽しむことが可能です。
壁付けL型キッチン
海外でよく採用されるような壁付けのL型キッチンも採用できます。 キッチンの中心に正方形の作業台カウンターがついているのが、大きな特徴です。 複数人で料理を楽しむ方などにおすすめなキッチンタイプです。 こちらも約6~7畳の空間が必要でしょう。 広めのLDKが確保できるなら、ぜひ検討してみてくださいね。
大容量のパントリー
キッチン横に大容量のパントリーを採用した間取りもおすすめです。 買い溜めした食品やゴミ箱、調理家電などをすっきりとしまうことができます。 キッチンと横並びにすれば、動線も短くなるので家事の効率も上がります。 家事楽な家を建てたい方におすすめです。 1.5~2畳のパントリーがあれば、買い溜めする方でもすっきり収納できるでしょう。 キッチン全体で、約6.5~7畳の広さを確保してください。
40坪の注文住宅の玄関おすすめ
40坪の注文住宅で採用できる玄関の例も紹介します。
ウォークスルーできるSIC
玄関からSIC(シューズインクローゼット)に入って、そのまま室内まで通り抜けられるウォークスルータイプは人気です。 家族だけの玄関として使うことができるので、お客様用の玄関はキレイな状態を保てます。 靴だけでなく、アウトドア用品やコートなども収納できる大容量のSICは使い勝手が良いでしょう。 玄関+2~3畳の広さがあれば、ゆとりを持ったウォークスルータイプのSICが採用できます。
土間で趣味を楽しめる玄関
玄関と広い土間がつながっている玄関も素敵です。 収納としてはもちろん、趣味を楽しめるような空間として使うこともできます。 釣りやガーデニングが趣味の方なら土間で作業ができますし、自転車やバイクが好きなら1台分のガレージも施工可能です。 用途によりますが、玄関+3~6畳の広さを確保するといいでしょう。
広々とした玄関
単純に広い玄関は高級感や開放感が出てすてきです。 ちょっとした用事で玄関までしかあがってこない来客にとっては、玄関で家の印象が決まると言っても過言ではありません。 広い玄関にすることで、家全体が広々としているようなイメージを与えることができます。 3~4畳の玄関が一般的ですが、5~6畳の玄関が確保できるとかなり広く感じるでしょう。
40坪と50坪の注文住宅はどれくらい違う?
では最後に40坪と50坪の注文住宅を比べます。 まずは両者の間取りについてです。 40坪と50坪では、10坪の差があります。 40坪では採用できないが、50坪なら採用できる可能性が高いのは次のような間取りです。
- ビルトインガレージ
- 5LDK+広めな趣味部屋・納戸など
- 大空間のシアタールームや小屋裏収納
3~4人で住むなら上記のような空間を採用する余裕があります。 また、50坪なら5~6人で住んでも、ゆとりを持って生活できるでしょう。 LDKや水回りを分けた、分離式二世帯住宅も建築可能です。 続いて、40坪と50坪の家の価格差を計算します。
坪単価 |
40坪の注文住宅 の価格(税込) |
50坪の注文住宅 の価格(税込) |
10坪の差額 (税込) |
40万円 |
1,760万円 |
2,200万円 |
440万円 |
45万円 |
1,980万円 |
2,475万円 |
495万円 |
50万円 |
2,200万円 |
2,750万円 |
550万円 |
55万円 |
2,420万円 |
3,025万円 |
605万円 |
60万円 |
2,640万円 |
3,300万円 |
660万円 |
65万円 |
2,860万円 |
3,575万円 |
715万円 |
70万円 |
3,080万円 |
3,850万円 |
770万円 |
75万円 |
3,300万円 |
4,125万円 |
825万円 |
80万円 |
3,520万円 |
4,400万円 |
880万円 |
10坪の差があると間取りの自由度は広がりますが、もちろん費用も膨れ上がります。 50坪の家を建てるには、3,000万円の予算を確保しておくことが好ましいでしょう。 自分達にとって必要な広さはどのくらいなのかよく考えて、坪数を決めてみてください。
まとめ
40坪の注文住宅では、様々な空間を取り入れることができます。 4~5LDKの間取りが採用できるため、4~5人で住むマイホームにぴったりです。 おうちモールではご家族の人数や間取りの要望を聞いた上で、坪数に対する疑問や質問に回答しています。 お客様に合った坪数や予算に合わせて最適なハウスメーカーを紹介することも可能ですので、ぜひお気軽にご相談ください。