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家を建て替えたい!建て替えの流れや費用相場は? リフォームと悩む時はどう決める?
「今ある家を建て替えたい!」と考えたとき、さまざまな疑問が浮かぶ人も多いのではないでしょうか。
- 建て替えをするときの流れがわからない‥
- 新築工事と比べてどのくらいの費用が追加でかかる?
- リフォームと建て替えどちらが良いのかな?
建て替えは一般的な新築工事と異なる点があるため、事前に知識を蓄えておくことでスムーズに進めることができます。
今回は、建て替えの流れや費用、二世帯住宅へ建て替えるときの疑問点などを解説します。リフォームと悩んでいる方も、ぜひ目を通してみてくださいね。
目次 |
家を建て替えたい!どういう流れで進める?
今住んでいる家を建て替えたいけど、どのような流れで進めていいか分からないと不安に感じている方もいますよね。実は、家を建て替える場合も、新築工事とそこまで大きな差はありません。大まかな流れを理解しましょう。
①住宅会社探し
まずは、建て替えをお願いする住宅会社を探します。自分達の予算や要望に合った家づくりをしてくれるパートナーを見つけましょう。さまざまな住宅会社を見て、比較検討してみてくださいね。
ちなみに、解体業者を自分達で探す必要はありません。なぜなら、住宅会社が提携している解体業者を紹介してもらうことができるからです。自分が知っている解体業者を利用したい場合は、可能かどうかを住宅会社に確認してみてくださいね。
②契約会社決定
さまざまな住宅会社の中から、自分に合った会社が見つかったら契約に進みます。ここまでに建て替える家の間取りや仕様を打合せ、詳細な見積もりを出してもらっておくと、契約後に大きな金額の追加が出にくいです。解体する建物も現地調査をしてもらい、具体的な解体費用を予算取りしておきましょう。
家づくりを安心して任せられ、心から信頼できるような住宅会社を選んでくださいね。
③仕様などの打合せ
契約後は細かな仕様などの打合せを進めます。設計士やインテリアコーディネーターと共に、自分達の理想のマイホームを作り上げましょう。
④仮住まいの決定と建物の片付け
工事が始まったら解体する家に住み続けることは出来ません。そのため、工事中は仮住まいに住む必要があります。建物の契約前後に仮住まい先も見つけ、契約を進めておきましょう。
仮住まいの契約期間が決めなければならないため、建て替えの場合は住宅会社に工事のスケジュールをより細かく組んでもらうことをおすすめします。解体日が決まったらスムーズに仮住まいへ引越しできるように、荷物をまとめておいてくださいね。
また、解体する家にものが多く残っていると、解体費用が上乗せされるケースがあります。建物の中のものはすべて処分するか、残存物がある場合はあらかじめ見積もりに計上してもらっておくと安心です。
⑤仮住まいへ引越し
解体日が近づいてきたら、仮住まいへ引越しを行います。あらかじめ引越しのスケジュールを住宅会社に確認して準備を行いましょう。仮住まいで使わないような荷物がある場合は、トランクルームなどを借りて荷物を置いておく方もいます。
⑥解体工事
仮住まいへの引越しが完了したら、いよいよ解体工事が始まります。解体前にしっかりと打合せができていれば、特に立会いなどは必要ありません。残しておきたい木や外構などがある場合は、解体前に再度確認しておくと安心です。
また、解体前に神主さんを呼んでお祓いをするケースもあります。お祓いは行わなくても、家族で建物前で記念写真を取って思い出に残す方も多いです。
⑦地盤調査、測量
解体が完了したら、いよいよ新しい建物の工事へ移ります。建物の着工前の準備として、地盤調査や測量を行います。元々家が建っていて何も問題がなかった土地でも、地盤調査の結果次第では改良工事が必要です。予算取りを忘れずに行いましょう。
着工目前になったら地鎮祭を行う方もいます。家族で実施するかをあらかじめ相談し、行う場合は住宅会社に段取りをお願いしてくださいね。
⑧新築工事
工事の準備が整ったら建物の建築工事が始まります。この後は通常の新築工事と同様の流れです。工事中は現場に足を運んで写真を撮ったり、職人さんと話したりしてみましょう。住宅会社によっては、工事中に現場で立会いが行われることもありますから、予定通りに工事が進んでいるか確認してくださいね。
⑨新築引き渡し
建物の工事が完了したら、ついに引渡しです。引渡しは、書類の受け渡しや住宅設備の使い方の説明などが行われます。引渡しのスケジュールが確定したら、引越しの段取りをして仮住まいの片付けも進めておきましょう。
家を建て替える費用の相場
家を建て替える際の費用相場をお伝えします。
建て替えの場合は、新築の建物工事の他に解体費用がかかりますので、予算取りを行いましょう。
解体工事費用の相場
木造建物の解体工事は、1坪あたり3〜5万円くらいが相場です。
30〜45坪のときの概算を確認しましょう。
30坪 | 約90~150万円 |
35坪 | 約105~175万円 |
40坪 | 約120~200万円 |
45坪 | 約135~225万円 |
もちろん解体する会社によって費用は異なります。
住宅会社を決めるときと同様に、相見積もりを取って比較することも可能です。
鉄骨造やRC造は木造よりも解体費用が割高ですので、理解した上で予算取りを行ってくださいね。
新築工事費用の相場
新築工事の費用相場も確認しておきましょう。
ご存じの通り、建物の価格は住宅会社によって大きく変わります。
ローコストメーカーは50万円前後の坪単価で建てられる場合もあれば、大手ハウスメーカーは100万円を超える坪単価になるケースも少なくなりません。
30坪、40坪、50坪の建物を、坪単価50〜100万円で建てたときの費用相場を確認してみましょう。
【30坪の建物の場合】
坪単価 | 建物費用 |
50万円 | 約1,500万円 |
60万円 | 約1,800万円 |
70万円 | 約2,100万円 |
80万円 | 約2,400万円 |
90万円 | 約2,700万円 |
100万円 | 約3,000万円 |
【40坪の建物の場合】
坪単価 | 建物費用 |
50万円 | 約2,000万円 |
60万円 | 約2,400万円 |
70万円 | 約2,800万円 |
80万円 | 約3,200万円 |
90万円 | 約3,600万円 |
100万円 | 約4,000万円 |
【50坪の建物の場合】
坪単価 | 建物費用 |
50万円 | 約2,500万円 |
60万円 | 約3,000万円 |
70万円 | 約3,500万円 |
80万円 | 約4,000万円 |
90万円 | 約4,500万円 |
100万円 | 約5,000万円 |
あくまで目安として参考にしてくださいね。
ちなみに、上記金額は建物の建築費用です。その他に登記や住宅ローンなどの諸費用が数百万円かかります。注文住宅でかかる諸費用については、こちらのコラムをチェックしてみてください。
注文住宅にかかる諸費用とは?初期費用から諸経費、付帯工事費などを徹底解説
また、建て替えの場合は、元々あった建物の登記を消す「滅失登記」の費用が追加でかかります。家屋調査士に依頼した場合は4~5万円程度です。他にも、仮住まいへの引越し費用や数か月分の家賃がかかりますので、予算に入れておいてくださいね。
建て替えで二世帯住宅を建てる
家を建て替えて子供夫婦と住む二世帯住宅を建てたいと考える方もいるでしょう。二世帯住宅の間取りは、大きく分けて次の3種類に分かれます。
- 完全共用型:空間の全部を二世帯で共有する
- 部分共用型:玄関や水回りなどの一部を二世帯で共有する
- 完全分離型:全ての空間を各世帯ごとに分ける
完全共用型は、各個人の寝室だけが増えるだけなので、単世帯と比較的近い坪数で建てることが可能です。対して、完全分離型は玄関や水回りなど、すべての空間を2つずつ作る必要があります。そのため、坪数が大きくなって費用も高くなります。それぞれの費用相場を確認しましょう。
完全共用型の二世帯住宅
完全共用型の二世帯住宅の場合、40坪前後で建築できるケースが多いです。坪単価を50~100万円と仮定したときの費用相場を確認しましょう。
坪単価 | 建物費用 |
50万円 | 約2,000万円 |
60万円 | 約2,400万円 |
70万円 | 約2,800万円 |
80万円 | 約3,200万円 |
90万円 | 約3,600万円 |
100万円 | 約4,000万円 |
部分共用型の二世帯住宅
部分共有型の二世帯住宅の場合、45坪前後で建築できるケースが多いです。坪単価を50〜100万円と仮定したときの費用相場を確認しましょう。
坪単価 | 建物費用 |
50万円 | 約2,250万円 |
60万円 | 約2,700万円 |
70万円 | 約3,150万円 |
80万円 | 約3,600万円 |
90万円 | 約4,050万円 |
100万円 | 約4,500万円 |
完全分離型の二世帯住宅
完全分離型の二世帯住宅の場合、50坪前後で建築できるケースが多いです。坪単価を50〜100万円と仮定したときの費用相場を確認しましょう。
坪単価 | 建物費用 |
50万円 | 約2,500万円 |
60万円 | 約3,000万円 |
70万円 | 約3,500万円 |
80万円 | 約4,000万円 |
90万円 | 約4,500万円 |
100万円 | 約5,000万円 |
二世帯住宅の間取りの考え方や費用相場は、こちらのコラムで詳しく解説しています。ぜひチェックしてみてくださいね。
注文住宅で二世帯住宅を建てる!間取りの考え方や二世帯で快適に暮らすコツを解説!
建て替えで住宅ローンを利用する場合
建て替えで住宅ローンを利用する場合は、一般的な住宅ローンの組み方と異なるケースがあります。よくある疑問について解説します。
前の住宅のローン残債があるけど大丈夫?
結論からお伝えすると、前の家の住宅ローンが残っていても、新たな家の住宅ローンを組むことができます。正確に言うと、残債を新しいローンに組み込んで新たに住宅ローンを借り入れるという仕組みです。すべての金融機関でこの借り方を認めているわけではありませんので、対応している金融機関を探してみましょう。
ただし、次のような場合は、新たに住宅ローンを組み直すことができない可能性があります。
- 残債+建て替え費用の額が大きく、返済能力を満たしていない
- 既存の住宅ローンの他にカーローンなどの借入がある
- 既存の住宅ローンを組んだ後にブラックリストに入りや支払いの遅延があった
前の住宅のローン残債がある場合は、事前に住宅会社や住宅の相談窓口などに相談してみてくださいね。
解体費用もローンは組める?
解体工事も建物の大きさによっては数百万円の費用がかかりますので、ローンに組み込みたいという方もいるでしょう。「建て替えのための解体工事」という点が前提にあれば、解体費用もローンに組み込めるケースがほとんどです。ローン申し込み時に解体工事の見積書や契約書が必要になるため準備しておきましょう。
二世帯住宅だから親子でローンを組みたい
二世帯住宅を建てるなら、親子で住宅ローンを組むことも可能です。親子で組む住宅ローンは次の2種類があります。
- 親子ペアローン
- 親子リレーローン
親子ペアローンは、親と子が1本ずつの住宅ローンを組み、それぞれが返済していく住宅ローンです。1人ずつローンを組むため、親子ともに一定の収入があるなら、借入額を増やしやすい点がメリットです。それぞれがお互いの連帯保証人になるため、どちらかの返済が滞ったらもう一方が返済します。
親子リレーローンは、親子で1つの住宅ローンを組み、二世帯にわたってリレー方式で返済していく住宅ローンです。最初は親がローンを返済をし、何らかの理由で返済が出来なくなったら、子にバトンタッチして支払いを続けていきます。親と子は逆でも問題ありません。後から支払いをする人は、先に支払いをする人の連帯債務者となるケースも多いです。
親子でローンを組む場合、さまざまな方法があります。ベストな方法を相談しながら決めてくださいね。
建て替え中の仮住まいはどうする?
建て替え工事をしている間は、他の住まいで生活しなければなりません。工事中の住まいを「仮住まい」と呼びます。借り住まいはどのようにしているケースが多いのでしょうか。
賃貸物件を契約する
もっとも一般的なのが、賃貸物件を契約して数ヵ月間だけ住む方法です。ただし、一般的な賃貸物件は2〜3年契約のケースがほとんどです。仮住まいとして住むのは数ヶ月、長くても1年程度ですよね。そのため、短期間の契約が可能な物件や不動産屋を探さなければなりません。必ず最初の段階で「仮住まい」を探している旨を不動産屋に伝え、条件に合った物件を紹介してもらってくださいね。
マンスリーマンションを契約する
1ヶ月単位で契約できるマンスリーマンションを契約するのも1つの方法です。マンスリーマンションは数ヶ月の契約を結ぶこともできます。ただし、ファミリー向けのマンスリーマンションは物件数が少なく、選択肢が狭まる可能性があります。一般的な賃貸物件と平行して物件探しを行うと良いでしょう。
親族の家に居候させてもらう
仮住まいの費用をなるべく抑えたいなら、親族などの家に居候させてもらっても良いでしょう。ただし、通学や通勤などの利便性が変わらない立地であることが条件です。あまりにも遠いと、費用が抑えられると言えども生活に支障が出てしまいますからね。
また、親族との関係性も非常に大切です。あまり関係性が深くないと、生活するだけで気疲れします。数ヵ月間も一緒に生活するため、お互いに大きなストレスになりかねません。月にいくら支払うのかなども難しい問題ですよね。事前にしっかりと相談した上で、お世話になるか決めましょう。
建て替えかリフォームか迷った場合はどう判断する?
今建っている住まいにまだ住める場合、建て替えかリフォームで迷う方も多くいます。建て替えれば、今の暮らしに合わせた家を建てることができますが、リフォームと比べて費用がかかることが一般的です。家庭の環境や住まいの現状によって、どちらにすべきなのか変わります。
建て替えが向いている人
建て替えが向いているケースを紹介します。
将来、家や土地を継ぐ予定
将来的に、建て替え予定の家や土地を継ぐ予定があるなら、建て替えをおすすめします。リフォームと比べて建て替えの方が建物の耐用年数は長いため、その土地に長く住むことができます。1度リフォームして数十年後に結局建て替えるなら、早い段階で建て替えてしまった方が費用もお得になるでしょう。
シロアリ被害や耐震性の対策をしたい
構造体などの建物の基礎となる部分が劣化している場合は、建て替えを検討しましょう。例えば、柱や土台がシロアリの被害を受けていたり腐朽が進んでいたりする場合は、建物を支えるだけの力がない可能性があります。これらを修復し、耐震性をアップさせるための工事を行うと、かなり大幅なリフォームになります。建物の安全性をより高めたいなら、最新の耐震基準に沿った家に建て替えることをおすすめします。
間取りや家の性能を改善したい
大幅な間取り変更や性能の改善をしたい場合も、建て替えを行っても良いでしょう。リフォームでも間取り変更はできますが、撤去できない柱や壁があります。すると、要望通りの間取りにならないケースも少なくありません。建て替えなら、自分達の暮らしに合った間取りの家を建てることができます。
また、断熱性や気密性などを向上させる場合、リフォームは断熱材の入れ替えや内窓の施工
などを行います。しかし、それでも最新の省エネ基準を満たさないことも。建て替えなら、より高断熱・高気密の家を建てることもできますし、全館空調などの最新設備も導入しやすいでしょう。
リフォームと建て替えの費用に差があまりない
リフォームと建て替えの費用を比較したときに、あまり差がないなら建て替えをおすすめします。耐震・断熱工事や大幅な間取り変更を行うリフォームは、意外と費用がかかることも少なくありません。リフォームと建て替え両方の見積もりを取り、費用と暮らしの質のバランスを考えて、適切な方法を選んでみてくださいね。
リフォームが向いている人
リフォームが向いているケースを紹介します。
予算をなるべく抑えたい
予算をなるべく抑えたいなら、リフォームをおすすめします。リフォームなら一気に工事を進めなくても、必要な箇所から徐々に手を付けることも可能です。予算がかなり限られているなら、必要最低限のリフォームを行いましょう。リフォームなら、仮住まいで暮らす期間も短くて済むため、諸費用も抑えられますよ。
長く住み続けるかわからない
その家に長く住み続けるか分からないなら、費用のかかりにくいリフォームがおすすめです。せっかく建て替えても、将来的に子供達が別の場所に家を建てることになったらもったいないですからね。将来的な計画も見据えて、リフォームか建て替えかを検討しましょう。
シロアリ被害や耐震性に不安がない
比較的築年数が新しく、シロアリ被害の修繕や耐震性のリフォームが不要なら、リフォームでも良いでしょう。水回りの設備や内装を一新するだけでも、新築のような家に生まれ変わらせることができます。大幅なリフォームがいらない場合は、建て替えよりもメリットが多いです。
まとめ
建て替えは一般的な新築工事と比べて、解体工事の費用がプラスでかかります。また、建物を壊した後に新築同様の工事を行うため、リフォームと比べて支払う費用が大きくなってしまうケースが多いです。しかし、建て替えを行うことで、今の時代に合った耐震・断熱基準を満たした性能の高い家に住むことができます。間取りや設備も自分の要望が実現できるため満足度も高いです。
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