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注文住宅でビルトインガレージを採用して後悔しない為に知っておきたいこと!
車やバイク、アウトドアが好きで、ビルトインガレージのあるおしゃれな家に憧れているという人は少なくありません。しかし、注文住宅でビルトインガレージをつけるときには注意点もあるため事前に知っておかないと「こんなことならビルトインガレージは必要なかった」「予想より予算がかかってしまった」などと後悔してしまいます。
そこで今回は、ビルトインガレージのメリット・デメリット・費用を詳しく解説します。ビルトインガレージに関するさまざまな疑問にも回答していくため、注文住宅を検討している人はぜひご一読ください。
目次 |
ビルトインガレージとは?
ビルトインガレージとは、住宅の一部に駐車空間を確保して造り付けたガレージのことです。入口にシャッターをつければ、完全に住宅の中に車を収納できます。
2階建てや3階建ての家によく見られますが、平屋でもビルトインガレージをつくることは可能です。一般的に、広い開口が必要となるため、ビルトインガレージは鉄筋コンクリート造や鉄骨造の住宅で設計しやすい間取りとされています。
しかし、木造の注文住宅でも、梁や柱の強度を確保すればビルトインガレージは十分に設計可能です。
インナーガレージとの違い
ビルトインガレージによく似た言葉に、インナーガレージがあります。住宅メーカーによってさまざまな呼び方があるため、何が違うのかと疑問に思う人もいるでしょう。
インナーガレージは、建物の中に造られたガレージのことで、ビルトインガレージとの大きな違いはありません。また、ビルトインガレージやインナーガレージのように、ガレージをつけた住宅は「ガレージハウス」と呼ばれることもあります。
ビルトインガレージのメリット
ビルトインガレージのメリットには、以下の5つがあります。
・愛車を雨や紫外線から守れる
・愛車が盗難されにくくなる
・車の乗降りがしやすい
・趣味のスペースとして使える
・固定資産税を安くできる
それぞれのメリットについて、詳しく見ていきましょう。
愛車を雨や紫外線から守れる
マイホームにビルトインガレージを作ると、愛車を雨や紫外線から守れるのが最大のメリットです。屋根のみがついたカーポートや開放的な駐車場とは異なり、ビルトインガレージは、壁で閉じられた空間に駐車スペースができます。
そのため、強風など悪天候の日も、車が雨風にさらされることはありません。さらに、シャッターをつければ台風のときに、飛来物が飛んできて車にあたったというような事故を未然に防ぐこともできます。
愛車が盗難されにくくなる
ビルトインガレージは、車を屋内に置いておけるため、盗難や車上荒らし、悪戯といった被害にあうリスクを低くできるのもメリットです。
また、家から車やバイクの手入れをしたいという車好きの人々に、ビルトインガレージは特別な魅力があります。そして、車の手入れには工具が欠かせないため、メンテナンス用品の保管場所も確保することができます。
特に、いつでも愛車を眺めたいという人には、リビング・ダイニングからビルトインガレージをガラス越しに眺められる間取りがおすすめです。
車の乗降りがしやすい
ビルトインガレージがあると、車の乗り降りがしやすいのもメリットです。雨の日に買い物から帰ったときにも、濡れずに荷物を運ぶことができます。小さいお子さんをチャイルドシートに座らせるときにも重宝するでしょう。
また、ビルトインガレージは、車いす使用者や介護が必要な人々にもおすすめです。一般の住宅では駐車場から玄関ポーチの段差かスロープを上って玄関に入らなければなりません。しかし、ビルトインガレージなら駐車場からそのまま部屋の中にアクセスすることもできます。
さらに、1階にリビング・ダイニング・キッチンなどの生活空間があれば、家の中の移動が楽になるでしょう。
趣味のスペースとして使える
ビルトインガレージは、車やバイクをメンテナンスするときだけでなく、趣味のスペースとしても便利に使えます。ゴルフの練習や工作スペース、大型プロジェクターを使って映画鑑賞をするなど、さまざまな方法で活用できるのが魅力です。
また、キャンプ用品といったアウトドアグッズや冬用タイヤの保管場所としても役立ちます。広めのビルトインガレージがあれば、外部物置を設置するなど、屋外の収納場所を造る必要はないでしょう。
また、小さなお子さんがいるご家庭では、ビルトインガレージ内を遊び場として使うのもおすすめです。暑い夏の日には、ビニールプールを置いて水遊びをさせたり、シャッターを開けてバーベキューを楽しんだりするなど、ご家族それぞれの楽しみ方ができますよ。
固定資産税を安くできる
ビルトインガレージは、設計の工夫次第では固定資産税を安くできるのもメリットです。ビルトインガレージ部分の面積が建物全体の床面積の5分の1以下であれば、固定資産税の課税の対象にはなりません。
そのため、同じ面積を子ども部屋や和室などの居室にした場合よりも、固定資産税を抑えることができます。具体的には、住宅の延床面積が200平米の場合、40平米までのビルトインガレージなら、固定資産税の緩和措置が適応されるということになります。
ビルトインガレージのデメリット
ビルトインガレージを作るときには、デメリットも理解しておきたいものです。ビルトインガレージのデメリットには、主に以下の4つがあります。
・コストが掛かる
・騒音や振動が気になる
・換気に注意する
・1階部分の間取りが制限される
それぞれのデメリットを、詳しく説明していきます。
コストが掛かる
ビルトインガレージのデメリットは、建築コストが掛かることです。シャッターや照明、換気設備などが必要となるため、建材にかかるコストが高くなる可能性があります。
また、一般的な木造住宅でビルトインガレージをつける場合、大きな開口部の耐久性や耐震性を確保するために、施工コストが上がることもあります。そのため、通常の部屋にした場合よりも、ビルトインガレージをつけたほうが建築費用が高くなることも少なくありません。
なお、ビルトインガレージ内には最初から照明を取り付けておく方が賢明です。ガレージは昼でも薄暗く、後から照明を追加する場合、スイッチの操作が煩わしくなったり、取り付けるスペースがないという問題が生じることがあります。
このように、ビルトインガレージには耐震性確保のためと照明・換気設備といった建材コストがかかることを理解しておきましょう。
騒音や振動が気になる
ビルトインガレージをつけると、車の騒音や振動が気になることもあるため注意が必要です。車庫に車を出し入れするときのエンジン音や振動が、直接家の中に伝わり、家族から不満が寄せられることもあるかもしれません。
そのため、ガレージの近くに寝室や子ども部屋を設けないなど、設計の工夫が必要です。
また、ビルトインガレージにつけたシャッターの種類によっては、開閉音が大きく近隣に迷惑をかけてしまわないかと不安になる人もいます。音の対策をするには、事前に音が静かなシャッターを選ぶ、定期的にシャッターのメンテナンスをしておくといった対策が有効です。
そして、深夜・早朝など近隣の方が静かにしているときにはシャッターの開閉を控えるよう心掛けましょう。なお、事前に近隣の方に挨拶をして、理解を得ておくといった方法もおすすめです。
換気に注意する
ビルトインガレージをつけるときには、換気にも注意を払う必要があります。車の発進時とアイドリング時に排気ガス独特の臭いが発生します。
特に、臭いに敏感な人にとっては、車からの排ガスに不快感を覚えることも考えられます。ビルトインガレージは完全に密閉された空間になりやすいため、排ガスが溜まりやすいことが原因です。
ビルトインガレージ内に換気設備や窓をつけるなどして、定期的に空気の循環を促し、換気ができるようにしておくことをおすすめします。
1階部分の間取りが制限される
ビルトインガレージには、敷地状況によっては1階部分の間取りが制限されるというのもデメリットです。場合によっては、ビルトインガレージをつけることでキッチンや浴室など、家族が生活上よく行き来する部屋を上の階に配置する必要があります。
また、敷地があまり広くない場合は、必要な部屋を確保するために建物自体が3階建てになる可能性があります。一方で、敷地が広い場合には、通常の2階建ての間取りに付属させるような形でビルトインガレージを設計することも可能です。
そして、ビルトインガレージの間取りを考えるときに重視したいのは、車の出し入れのしやすさです。車の大きさがちょうど入るくらいの広さでは、駐車しづらくなることもあるため注意が必要です。
車を停めたあとの乗り降りや荷物の出し入れなどを考慮すると、少し余白のあるスペースを取っておくことをおすすめします。
また、道路の幅や近隣の敷地の状況によっては、小さな車でなければビルトインガレージ内に納められないケースもあります。
そのため、ビルトインガレージの間取りやプランに関しては、間取りを決める前にハウスメーカーや工務店に相談しておくことが大切です。
ビルトインガレージの費用
施工する工務店やハウスメーカーにもよりますが、設計と建築の坪単価は、約50~80万が目安です。ガレージ部分を4〜5坪のサイズで計画すると、合計で約200万円から400万円の費用がかかります。
最も費用を抑えられるのはシャッターをつけなかった場合で、約200万円が相場です。また、シャッターの種類によっても価格は変わります。ビルトインガレージのシャッターには、大きく分けて巻き上げ式とオーバースライダー式の2種類があり、オーバースライダー式のシャッターには、施工費込みで約70~100万円ほどかかります。
また、電動か手動か、シャッターの材質はスチール・アルミ・ステンレス・木製かなどによっても費用は変わるため、詳細な金額を知りたい方は、施工業者に相談してみましょう。
なお、ビルトインガレージは車のサイズによって必要な大きさが変わります。将来的に車を買い替える予定がある人は、その大きさも想定してビルトインガレージのサイズを考えることが重要です。
一般的に、ビルトインガレージの面積が広いほど、費用は高くなる傾向にあります。軽自動車やコンパクトカー1台分を計画するよりも、SUVやミニバンといった大型車を収納する大きさのほうが建築コストがかかります。
しかし、都市部などでは自宅の敷地内に車を停めたほうが駐車場代を抑えられる場合もあります。ビルトインガレージがなく駐車場代を何年も支払わなければならないことを考えると、固定的な出費を抑えることができます。
例えば、駐車料金が月3万円であれば、1年で36万円、10年間で360万円、そして30年では1,080万円を支払うことになります。さらに、駐車場まで行かずにいつでも車に乗れる利便性を考えると、ビルトインガレージの価値はコスト以上のものと言えるでしょう。
このように、ビルトインガレージのコストパフォーマンスはケースバイケースであるため、ご自身の状況にあわせて、建築コストは妥当かどうかを検討してみましょう。
よくある質問
ビルトインガレージを検討している人の中には、さまざまな疑問を持つ人もいるでしょう。ここでは、ビルトインガレージに関するよくある質問に対する答えを解説していきます。
ビルトインガレージは建ぺい率に含まれる?
ビルトインガレージの面積は、建ぺい率に含まれます。建ぺい率とは、敷地面積に対する建築面積のことで、「敷地の中で建物が建てられる面積の割合」のことを指します。建ぺい率は、各自治体の都市計画に基づいて地域や土地ごとに定められているものです。
また、建築面積は、建物の水平投影面積のことで、端的に説明すると「建物を真上から見たときの面積」と言い換えることができます。
基本的に、屋根と柱がある構造物は建築物として扱われるため、ビルトインガレージの面積も、建ぺい率でいうところの建築面積に含まれます。
ビルトインガレージの上に部屋はつくれるか?
ビルトインガレージの上に、部屋は作れます。ビルトインガレージの上の部屋は、冬に寒く感じることがあるため、断熱対策を施しておくことをおすすめします。
断熱材を施工しておくと、快適に過ごしやすくなるだけでなく、エアコンや暖房の使用頻度も減るため、光熱費を抑える効果も期待できますよ。
まとめ
ビルトインガレージは、車を収納するだけでなく趣味のスペースやアウトドア用品の収納などにも活用できます。雨の日でも車の乗り降りのときに濡れることなく、自宅に入ることができるのは大きなメリットです。
特に、小さなお子さんやお年寄りがいる家庭にもおすすめです。一方で、建築コストが高くなる、騒音や振動、換気に注意する必要があるなどのデメリットもあります。
家族の希望、敷地の状況や建築コストを考慮しながら、マイホームにビルトインガレージをつけるか検討してみてください。
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