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【2024年度版】注文住宅で利用できる補助金や減税制度完全ガイド
注文住宅を建てる際、国や自治体から補助金を利用できる可能性があることをご存知ですか?注文住宅は人生で最も大きな買い物の一つですが、補助金をうまく利用することで、コストを抑えつつ希望通りの家を手に入れることができます。ただし、利用にはさまざまな条件があり、併用できる補助金にも制限があるため、事前にしっかり確認することが大切です。この記事では2024年の最新補助金情報、利用のメリットやデメリット、さらに注意点まで詳しく解説します。
目次 |
注文住宅で補助金を利用するメリットとデメリット
注文住宅を建てる際、条件を満たすことで補助金を利用することができます。では、補助金を使うことで得られる主なメリットと、注意すべきデメリットについて詳しく見ていきましょう。
メリット
補助金の最大のメリットは、返済不要で建築費用の一部を軽減できる点です。これにより、注文住宅の総コストを削減でき、予算に余裕を持たせることができます。さらに、補助金を利用することで、デザインや素材にこだわる余地が増え、家づくりの自由度が高まります。また、国が推進する長期優良住宅やZEH(ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス)といったエコ住宅にすることで、より良い補助金が得られる場合もあります。
デメリット
一方で、補助金を利用するためには一定の条件をクリアする必要があり、それに伴って初期費用が高くなる場合があります。例えば、断熱性や耐震性の向上を求められ、それが建築コストの増加につながるなどが考えられます。しかし、このような高性能住宅は長期的にはエネルギーコスト削減につながるため、初期投資が結果として価値あるものになることも多いです。最終的には、しっかりとした資金計画を立て、補助金をうまく活用することが鍵です。
補助金を利用する際の注意点
補助金を利用する際は、いくつか注意点があります。
検討する際は内容をしっかりと確認して準備をすすめていきましょう。
併用できない場合がある
補助金制度の中には、複数の補助金を同時に併用できないものが多くあります。特に全国で実施されているものは、国庫財源が利用されている場合が多いため、複数の補助金を同時に受け取ることができないことがあります。仮に複数で条件を満たしていた場合は、金額や条件の良いものをえらぶこととなります。
ただし、全国で実施しているものでも国庫財源が使われていない場合や、各自治体で実施しているものは併用できる場合があるので確認してみましょう。
初期費用は全額用意する場合が多い
補助金はほとんどの場合、家が完成した後に支給されます。つまり、建築の進行中には全額を自己資金で用意しなければならないため、補助金を当てにした資金計画を立てると、支払い時に資金が不足するリスクがあります。補助金が受け取れるタイミングを正確に把握し、それに対応した資金計画を事前に立てることが大切です。
締め切りが早まる場合がある
補助金は期間を設定して実施していますが、早期に予算まで達した場合はそれを待たずして終了する可能性があります。希望する補助金がある場合は、申請期間を確認し、スケジュールをしっかりと立て、早めに申請手続きを進めましょう。
【2024年度版】注文住宅を建てる時に利用できる補助金一覧
それでは、具体的に注文住宅で利用できる補助金を見てみましょう。
2024年に全国共通で実施されているものは3つあります。ただし、予算に達し次第終了する場合があるので、最新の情報や進捗は各事業のホームページから確認してください。
子育てエコホーム支援事業
子育てエコホーム支援事業は、子育て世帯や若者夫婦世帯が高い省エネ性能を持つ住宅をつくるために支援を提供しています。これらの世帯の省エネ投資を促進し、経済的な負担を軽減することが目的です。
支援対象者 | 子育て世帯、または若者夫婦世帯のいずれかであり、エコホーム支援事業者で住宅を新築する方
・子育て世代:2005年4月2日以降に出生した子がいる世帯 ・若者世代:夫婦どちらかが、1983年4月2日以降に生まれている (2024年3月31日までに建築着工する場合は1982年4月2日以降) |
対象となる住宅と補助額 | ・長期優良住宅:100万円/戸
・ZEH水準住宅:80万円/戸 |
申請期間 | 2024年12月31日まで
※ただし予算に達した時点で締め切られる可能性があります。 |
申請方法 | 子育てエコホーム支援事業者が行う。 |
詳しくはこちら:子育てエコホーム支援事業
ZEH支援事業
支援対象者 | ZEHビルダー/プランナーに登録している住宅会社で対象の住宅を建てる方 |
対象となる住宅と補助額 | ZEH:55万円/戸
戸建て住宅における「ZEH」の定義を満たしていること ZEH+:100万円/戸 戸建て住宅における「ZEH」の定義を満たし、かつ、一次エネルギー消費量を25%以上削減、高性能機器の導入が必要 |
申請期間 | 単年度事業:2024年4月26日~2025月1月7日
複数年度事業:2024年11月5日~2025年1月7日 ※ただし予算に達した時点で締め切られる可能性があります。 |
申請方法 | ZEHビルダー/プランナーに登録している住宅会社が行う |
詳しくはこちら:ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス
給湯省エネ2024事業
給湯省エネ2024事業は、家庭で多くのエネルギーを消費する給湯分野において、高効率給湯器の導入を支援しています。この事業は、高効率給湯器の普及を促進することで、2030年度のエネルギー需給目標の達成を目指しています。
支援対象者 | 給湯省エネ事業者と契約を締結し、住宅に対象機器である高効率給湯機を導入する方 |
対象となる住宅と補助額 | 次の対象機器を導入する住宅
・ヒートポンプ給湯機(エコキュート):8万円/台 ・電気ヒートポンプ・ガス瞬間式併用型給湯機(ハイブリッド給湯機):10万円/台 ・家庭用燃料電池(エネファーム):18万円/台 ※戸建住宅の場合、いずれか2台まで |
申請期間 | 2024年12月31日着工日まで
※ただし予算に達した時点で締め切られる可能性があります。 |
申請方法 | 給湯省エネ事業者が行う |
詳しくはこちら:給湯省エネ2024事業
各自治体で利用できる注文住宅を建てる時の補助金
全国共通で行われている補助金に加え、各自治体でも独自に補助金を提供している場合があります。国庫財源が使われていない補助金については、併用できる可能性があるため、事前に確認することをおすすめします。
【愛知県】愛知県住宅用地球温暖化対策設備導入促進費補助金
愛知県では、地球温暖化防止のため、太陽光発電や蓄電池などの住宅用温暖化対策設備を導入する個人に対し、市町村を通じて経費の一部を補助しています。
支援対象者 | 愛知県内の住居に、住宅用地球温暖化対策設備を導入する方 |
対象となる住宅と補助額 | 次の対象機器を導入する住宅
・家庭用エネルギー管理システム(HEMS):1万円 ・家庭用燃料電池システム:10万円 ・定置用リチウムイオン蓄電システム:40万円 ・電気自動車等充給電設備:5万円 ・太陽熱利用システム(自然循環型):1万6,000円 ・太陽熱利用システム(強制循環型):4万8,000円 次の対象設備を一体的導入する住宅 ・太陽光発電施設、HEMS、蓄電池:46万2,800円 ・太陽光発電施設、HEMS、電気自動車等充給電設備:11万2,800円 ・太陽光発電施設、HEMS、高性能外皮等(ZEH):16万2,800円 ・太陽光発電施設、HEMS、断熱窓改修工事:12万2,800円 |
申請期間 | お住まいの市町村によって異なるため、お問い合わせください。
また、申請状況により期間内でも受付を終了している場合があります。 |
申請方法 | お住まいの市町村によって異なるため、お問い合わせください。 |
詳しくはこちら:愛知県住宅用地球温暖化対策設備導入促進費補助金
【愛知県岡崎市】岡崎市産材住宅建設事業費補助金
愛知県岡崎市では、岡崎市で伐採された木材を使用して戸建てを建てた場合に支給される補助金があります。市内の森林整備の推進や、林業・木材業・建築業等の地元産業の活性化を図ることが目的です。
支援対象者 | 岡崎市で伐採された木材を柱や梁当の主要構造、または床板や天井板等の内装材に使用し、岡崎市内の建築業者で一戸建住宅を建てる方 |
対象となる住宅と補助額 | 岡崎市で伐採された木材を使用した住宅
・主要構造材に使用する岡崎市産材:1立方メートルあたり2万5千円(上限額30万円) ・内装材に使用する岡崎市産材:1平方メートルあたり5千円(上限額20万円) ※主要構造材と内装材の両方を申請する場合、合算額の上限は30万円 |
申請期間 | 先着順、予算がなくなり次第終了 |
申請方法 | 着工の14日前までに、申請書を含めた必要書類を市に提出 |
詳しくはこちら:岡崎市産材住宅建設事業費補助金
【岐阜県大垣市】大垣住まいるサポート事業「子育て世代等住宅取得支援事業利子補給金
岐阜県大垣市では、子育て世代の定住を促進するため、金融機関に借入金の利子を支払っている、かつ一定の条件を満たす子育て世代を対象に利子補助給金を補助しています。
支援対象者 | 大垣市に新築住宅を購入・転居し、住居取得日から申請期限までに、中学生以下の子供がいる、または配偶者がいてどちらかが40歳未満の方 |
対象となる住宅と補助額 | 新築の住宅であり、居住用の床面積が50㎡以上で、台所、水洗便所、収納設備、洗面設備、浴室を有する住宅
各年度の利子支払い額(上限10万)を年1回補助(3年間で最大30万円) |
申請期間 | 毎年4月1日~12月28日まで |
申請方法 | 承認申請書と必要書類を用意して市へ申請 |
詳しくはこちら:大垣住まいるサポート事業
【奈良県】スマートハウス普及促進事業
奈良県では、緊急時のエネルギー対策及び省エネルギー対策を促進するために対象機器を設置する家を補助しています。
支援対象者 | 奈良県内の住居に、県が定める創エネ・省エネ設備を設置する方 |
対象となる住宅と補助額 | 次の対象機器を設置する住宅
・創エネ・省エネ設備の導入 定置型リチウムイオン蓄電池:最大13万円 家庭用燃料電池(エネファーム):最大11万円 ・太陽熱利用の促進 太陽熱利用システム 強制循環型:9万円 太陽熱利用システム 自然循環型:3万円 ・V2H(ヴィークル・トゥ・ホーム)※の導入 V2H:最大13万円 ZEH設備も対象でしたが、予算額に達したため申し込みを締め切っています。 |
申請期間 | 2025年1月31日まで
※予算額に達し次第終了 |
申請方法 | 電子申請、もしくは郵送にて県に申請 |
詳しくはこちら:スマートハウス普及促進
【静岡県藤枝市】子育てファミリー移住定住促進事業費補助金
静岡県藤枝市では、18歳以下のお子様がいる子育てファミリー世帯に対して新築住宅の購入の費用について補助しています。
支援対象者 | 18歳以下のお子様及びその親からなる世帯
(子育てファミリー) |
対象となる住宅と補助額 | 新築住宅
補助率2分の1 ・市外からの転入:上限50万 ・市内での転居:上限30万円 ※子育てファミリーの親世帯と同居もしくは近居した際は30万(上限)を加算。 ※藤枝市外から藤枝市への転居の場合、転居に要した経費の2分の1を補助。(最大50万円) |
申請期間 | 住民票異動後、1年後の月末まで
※予算に達し次第終了 |
申請方法 | オンライン申請 |
詳しくはこちら:子育てファミリー移住定住促進事業費補助金
注文住宅を建てる際の減税制度は?
注文住宅を建てる際は、補助金だけでなく減税制度が適応されることもあります。これらをうまく利用すればコストダウンが期待できるので、事前に利用可能な制度について調べておきましょう。
住宅ローン控除
正式名称は「住宅借入金等特別控除」であり、住宅ローンを利用してマイホームを新築・取得した際に、一定の条件を満たす場合、所得税の税額控除を受けることができます。控除を受けるためには確定申告が必要です。住宅ローンの返済期間が10年以上であること、床面積が50㎡であること(合計所得金額が1,000万以下の場合は40㎡)などの条件があります。
住宅ローン控除を受けるには、省エネ基準を満たさない住宅は対象外となります。また、子育て・若者世帯に対しての控除が拡大されます。
住宅の種類 | 借り入れ限度額
|
控除期間 | 最大控率 | |
---|---|---|---|---|
2024年度入居 | 2025年度入居 | |||
長期優良住宅 | 子育て・若者夫婦世代:5,000万円
その他世帯:4,500万円 |
4,500万円 | 13年間 | 0.7% |
ZEH水準省エネ住宅 | 子育て・若者夫婦世代:4,500万円
その他世帯:3,500万円 |
3,500万円 | ||
省エネ基準適合住宅 | 子育て・若者夫婦世代:4,000万円
その他世帯:3,000万円 |
3,000万円 | ||
その他住宅 | 0円(※) | – |
※2023年末までに新築確認をうけた住宅に、2024年、2025年に入居する場合は借り入れ限度額2,000万円、控除期間10年となります。
詳しくはこちら:住宅ローン減税
住宅取得資金等の贈与税の軽減措置
注文住宅を建てる際に、親戚から援助を受けることもあるでしょう。父母や祖父母などの直系尊属から住宅にあてる金銭の贈与を受けた場合、その資金のうちの一定金額について贈与税が非課税となる制度があります。贈与をうけた年の合計所得が2,000万円以下、床面積が50㎡以上であること(合計所得金額が1,000万以下の場合は40㎡以上)が条件です。
減税額は住宅によって変わりますが、省エネルギー性の高い住宅、耐震性の高い住宅、バリアフリー性の高い住宅はより高い減税額となっています。
減税額 | ・質の高い住宅(※):1000万円
・それ以外の住宅:500万円 |
期間 | 2026年12月31日までに贈与 |
※質の高い住宅の要件 次のいずれかに該当すること
①断熱性能等級5以上かつ一次エネルギー消費量等級6以上
②耐震等級2以上または免震建築物
③高齢者等配慮対策等級3以上
詳しくはこちら:住宅取得資金等の贈与税の軽減措置
まとめ
注文住宅を建てる際、条件に当てはまれば補助金制度を利用できます。初期費用は全額負担が必要ですが、返済不要のため、条件を満たした場合は金銭的メリットが大きくなります。ただし、予算に達した場合は早めに締め切られることや、国庫財源からの補助金同士は併用できないなどの注意点がありますので、利用する際は条件や補助額を確認しながら進めていきましょう。
また、補助金だけでなく、住宅ローン控除や贈与税の軽減措置など、さまざまな制度が用意されています。特に住宅ローン控除は長期間にわたって所得税を軽減するため、マイホーム購入後の家計に大きな影響を与えることがあります。
このような補助金や減税制度について、自分が該当するのか、また何をどのように使えばよいかわからない方は、プロに相談するのもおすすめです。補助金を利用する場合としない場合では金額が大きく変わるため、建てる家や設備によって適用される補助金や金額が異なります。計画段階から視野に入れておきましょう。
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