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マイホームを購入するベストなタイミングは?家を購入する前に注意するポイントを解説!
家族全員が長い時間を過ごすマイホーム。みんながどのようなタイミングで購入を決断しているのか気になりますよね。
- 早い方が良いって聞くけど本当?
- 子供の入園・入学に合わせた方が良いの?
- 夫婦2人暮らしなら購入のベストタイミングっていつだろう?
このような疑問を感じている方もいるはずです。今回はデータを元に住宅購入のタイミングを考察し、家族構成に合ったベストなタイミングやきっかけを紹介します。家を購入する前に注意するポイントも解説しますので、ぜひチェックしてみてくださいね。
目次
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みんなが家を買うタイミングは?
一般的には、どのくらいの年齢・年収・貯金額の方が家を買うことが多いのでしょうか。国土交通省が発行している「令和3年度住宅市場動向調査報告書」のデータを参考にして解説します。
年齢別に見る
まずは、家を買うことが多い年代を紹介します。「令和3年度住宅市場動向調査報告書」の調査結果では、注文住宅を購入した方の平均年齢は44.0歳でした。その内、建て替えではなく新築の注文住宅を購入した方の平均年齢は40.9歳です。
続いて、購入者を年齢別に分類した割合を見てみましょう。
年代 | 割合 |
30歳未満 | 12.7% |
30歳代 | 44.8% |
40歳代 | 23.3% |
50歳代 | 8.2% |
60歳以上 | 11.0% |
参考データ:令和3年度住宅市場動向調査報告書|p40「世帯主の年齢」注文住宅(新築)
平均は40.9歳ですが、実際に新築の注文住宅を購入しているのは、30代が1番多いということが分かります。住宅ローンを30〜35年で組むことを考えたときに、30代の内に住宅を購入できれば定年退職前後でローンが完済可能です。仮に、定年退職時に住宅ローンが残っていたとしても、退職金を使ってローンを完済することもできるでしょう。
さらに、金融機関の多くは住宅ローンの完済時年齢を80歳前後に設定しています。そのため、46歳以上では35年の住宅ローンを組むことが出来ません。そのため、30代で住宅を購入する方が多く、平均年齢も40代前半という結果になったと推測できます。
年収別に見る
どのくらいの年収の人が注文住宅を購入しているのかを確認してみましょう。「令和3年度住宅市場動向調査報告書」の調査では、世帯主だけでなく世帯全員の年収を対象としています。
注文住宅を購入した人の世帯年収の平均は779万円です。こちらは、全国の注文住宅購入者を対象としています。首都圏・中部圏・近畿圏の三大都市圏を対象にした調査では、世帯年収の平均は909万円まで引き上がりました。
では、愛知県が含まれる三大都市圏について、注文住宅を購入した方の世帯年収の割合を確認しましょう。
世帯年収 | 割合 |
400万未満 | 7.4% |
400万~600万 | 18.6% |
600万~800万 | 20.2% |
800万~1000万 | 20.2% |
1000万~1200万 | 10.1% |
1200万~1500万 | 5.3% |
1500万~2000万 | 5.9% |
2000万以上 | 7.4% |
参考データ:令和3年度住宅市場動向調査報告書|p44「世帯年収」注文住宅(三大都市圏)
400~1,000万円の幅広い世帯年収の方が、注文住宅を購入しています。世帯年収が400万円以下の場合、住宅ローンの審査によっては希望する金額まで借入できないケースも少なくありません。実際に、フラット35では年収400万円を境に審査内容が異なります。400万円未満の方は、年収に対する借入額の条件が厳しくなってしまうのです。
三大都市圏の中でも世帯年収は分散しているため、建築エリアや土地の有無、選ぶハウスメーカーによって建築予算が大きく分散していることが予測できるでしょう。400万円未満でも土地を持っていたり、予算に合った住宅会社を選んだりすることで注文住宅が建築可能です。
貯金額別に見る
注文住宅を購入した方の貯金額もチェックしてみましょう。貯蓄があると頭金を支払うことができるため、住宅ローンの借入額を抑えることができますよね。一般的には、どのくらいの額を貯蓄してから注文住宅を購入しているのでしょうか。
「令和3年度住宅市場動向調査報告書」の調査では、注文住宅の一次取得者は4,879万円の購入費用に対して、843万円の自己資金を支払っています。つまり、住宅購入費の約17.3%を貯蓄から賄っていることが分かります。土地を持っていて建物の購入費用が3,000万円だった場合は、約519万円の自己資金を出しているという計算です。
参考データ:令和3年度住宅市場動向調査報告書|p47「一次取得者の購入資金」注文住宅
ただし、全ての貯蓄額を住宅購入のために支払うことはリスクがあります。なぜなら、急に出費が必要になった際などに困るからです。また、住宅購入費用の他にも、家具家電の購入や引っ越しにも現金が必要です。これらを考えると「住宅購入費×17.3%」の金額にプラスして、100万円以上は貯蓄しておくと安心でしょう。
家の購入するきっかけになる「ライフイベント」を家族構成別に解説
では、どのようなタイミングで家の購入に踏み切る方が多いのでしょうか。家族構成によって、きっかけになるライフイベントは異なります。それぞれの家族構成の事例を考えてみましょう。
一人暮らしで定職についている
一人暮らしで定職についている方の場合、次のようなライフイベントによって住宅を検討します。
- 昇進や昇給によって生活にゆとりが出た
- 転勤の可能性がなくなった
- 社宅に住める期限が近づいてきたとき
- 結婚を見据えたパートナーが出来たとき
一人暮らしの場合は、自分の暮らしに合わせた住宅を選ぶことができます。そのため、仕事が一区切りついたタイミング等で住宅購入を検討する方が多いです。また、中には将来を見据えてお付き合いしているパートナーとの同居の際に、住宅購入を決断する人もいます。
子供がいない夫婦
子供がいない2人暮らしの夫婦は、次のようなタイミングで住宅購入を検討しています。
- 結婚式や新婚旅行などのイベントが落ち着いたら
- 仕事の転勤等が落ち着いてきたタイミング
- 2人の趣味時間を充実させたいと考えたとき
- ペットを飼い始めるとき
- 子供を考え始めたタイミング
- 出産の時期に合わせて
夫婦の生活や仕事に落ち着きが出てきたら、住宅を買おうか考え始める方が多いです。将来的にも夫婦2人暮らしという選択なら、仕事や趣味が充実できるような住宅がおすすめです。反対に、将来家族が増える可能性があるなら、部屋数や家の広さも考慮する必要があるでしょう。
子供がいる夫婦
子供がいる子育て世代の夫婦は、次のようなライフイベントで住宅購入を検討します。
- 子供の入園・入学に合わせて
- 第2子の出産に合わせて
- 入園・出産などの出費や忙しさがが落ち着いたタイミング
子供がいる家庭は、今住んでいる賃貸が手狭になって住宅を検討する場合が多いです。賃貸住宅だと音なども気になりますからね。転校などを配慮して、入園・入学に間に合わせて住宅を購入する方もいます。また、家族が増えることが分かったため、家を買うことにしたというケースも少なくありません。
子供が巣立った後の夫婦
子供が巣立って2人暮らしになった夫婦は、住み替えや建て替えを検討します。タイミングは次のようなケースが多いでしょう。
- 子供が一人暮らしを始めるタイミング
- 住宅ローンの支払いが終わったら
- 定年退職して退職金が入ったら
- 今住んでいる家の大規模なリフォームが必要になったとき
老後に向けて家を買いたいという夫婦は、金銭的な余裕が出来たタイミングで検討する場合が多いでしょう。現在の住居のローンが終わったり、メンテナンス費がかかるときもベストなタイミングかもしれません。
建て替えの場合は、解体や仮住まいの費用がかかります。建築中は別の場所に住まなければならないため、意外と体力が必要です。夫婦2人で暮らす小さな平屋に建て替えたいなら、できるだけ早いタイミングで計画を進めましょう。住み替えの場合は、元々住んでいた家を売ったり貸したりする必要があります。売買・賃貸のサポートもしてくれる、住宅会社や不動産屋に住み替えを相談すると良いでしょう。
家を買うベストなタイミングは??
家族構成によって住宅購入のきっかけは様々だということをお伝えしました。では、全ての家族に共通する、住宅購入のベストなタイミングはいつなのでしょうか。
低金利が続いているうちはお得に購入しやすい
住宅ローンを借りて住宅を購入するなら、低金利の現在は住宅の買い時と言えるでしょう。固定金利が1%を切っている金融機関も少なくありませんよね。変動金利なら0.5%を切っている金融機関も多くあります。低金利のメリットは大きく分けて次の3つです。
- 毎月の返済額を抑えられる
- 多く借入できる可能性が高まるため建物にお金を掛けられる
- 返済期間を短くできるため年齢の問題をクリアにできることがある
- 住宅ローンを借り入れする金融機関の選択肢が増える
低金利なら返済額が安くなるという認識は多くの方が持っているでしょう。しかし、メリットはそれだけではありません。金利が低いと借入額を増やすことができたり、返済期間を短縮できます。なぜなら、金利支払い分が少ないと、その分を元金の返済に充てられるためです。また、審査が厳しい金融機関でも、金利が低くなると借入可能額が増えて審査が通ることもあります。これらの理由により、住宅ローンの低金利が続いている現在は、家を買うベストなタイミングと言えるでしょう。
若く健康なうちに購入するのがおすすめ
住宅を購入するならできるだけ若くて健康な状態のときに、購入することをおすすめします。つまり、欲しいと思ったらすぐ行動することがベストタイミングと言えるでしょう。なぜなら、年齢が上がると希望する金額や年数の住宅ローンが組めない可能性があるからです。また、病気などにかかるとそもそも住宅ローンを組めない可能性もあります。組めたとしても限られた金融機関しか借入できず、保障がついていない住宅ローンになる確率が高いです。
できるだけ若くて健康なときに住宅ローンを組むことが出来れば、より良い条件で住宅購入ができます。早く購入した方がマイホームでの思い出が増えますし、返済も早く終わりますからね。「家が欲しい!」と思ったら早めに行動することをおすすめします。
家を買うときに注意すること
住宅を購入するときには「準備」が大事です。事前に考えるべきことや注意すべきポイントを解説します。
ライフプランを家族で話し合う
マイホームを購入した後のライフプランを家族で話し合うことが大切です。例えば、家を購入しても転勤があると、その家に住むことが出来なくなるかもしれません。または、主人だけが単身赴任になって、家族と離れ離れに生活する可能性もありますよね。また、今の勤務先の近くに家を購入しても、家族が増えたら実家の近くの方が暮らしやすいというケースも考えられます。結婚や出産、親の同居にも対応できる、将来性を考えて家を選ぶことが大切です。
このように、自分達は将来どのような暮らしを送る予定なのかを考えて、家を買う必要があります。今の暮らしを豊かにすることも重要ですが、長く住む家なので将来の暮らしも充実させることも意識してライフプランを考えてみましょう。
住宅ローンは借りられる額ではなく無理なく返せる金額で
住宅ローンは借りられる額ではなく、無理なく返せる金額を借りましょう。借りられるだけ借りてしまうと、住宅購入後の生活が苦しくなるかもしれません。最悪、返済できなくなるというケースも考えられます。
ライフプランを考えたら、そのプランではいくらのお金がかかるか計算してみましょう。インターネット上にはさまざまなシミュレーションサイトがあるため、ライフプランに必要な金額が分かります。より詳細な情報を知りたいときは、ファイナンシャルプランナーなどに相談することも可能です。生涯にかかるお金を知ることで、住宅購入に充てられる金額がわかります。つまり、無理なく返済できる住宅ローンの金額も算出することができるのです。自分の無理のない予算組みをして、住宅購入後も充実した暮らしを送れるようにしてくださいね。
親からの援助がある場合は税金に注意
住宅購入に合わせて親から援助を受ける方もいるでしょう。住宅購入費に充てたり、家具・家電を買ったりできるため、親御さんからの援助はとても助かりますよね。しかし、親からの110万円以上の援助を受ける場合には、贈与税がかかることを忘れてはいけません。
ちなみに、令和4年1月1日から令和5年12月31日までの間に、父母や祖父母などの直系尊属から住宅取得に関する贈与を受けた場合は次の非課税制度が適用されます。
- 省エネ等住宅:1,000万円まで非課税
- それ以外の住宅:500万円非課税
参考URL:No.4508 直系尊属から住宅取得等資金の贈与を受けた場合の非課税|国税庁
上記の金額以上の贈与を受ける場合には、贈与税がかかりますので注意してくださいね。また、非課税の適用を受けるためには税務署への申請等が必要ですので、忘れずに行いましょう。
建築地の災害リスクを理解しておく
住宅を購入する際には、建物の耐震性だけでなく土地の安全性を理解しておくことも大切です。例えば、地盤の強度が弱いと、大きな地震が来たときに建物が崩壊する危険性があります。注文住宅を建築する場合は必ず地盤調査を行いますが、建売住宅の場合は建築時の状況を聞くしかありません。また、近くに河川があると、大雨や台風時に氾濫する危険性もあるでしょう。地域のハザードマップを取得したり、近隣に住む人に状況を聞いたりすることをおすすめします。建築地の災害リスクを把握して、家の購入を検討しましょう。
住宅を購入する時にかかる諸費用
住宅購入には、建物本体の金額の他にさまざまな諸費用がかかります。
建物に関する諸費用
建物に関する諸費用を紹介します。
- 契約書用の印紙代
- 屋外給排水工事費用
- 地盤改良工事費用(かからない場合もある)
- 設計・工事管理費
- 諸検査費や各種申請費
- 外構工事
- 建物の登記費用
建物の状況やお願いする住宅会社によって異なりますが、数百万円単位で諸費用がかかることもあります。
土地に関する諸費用
土地に関する諸費用を紹介します。
- 仲介手数料(売主から購入する場合は不要)
- 契約書用の印紙代
- 所有権移転登記費用
- 給排水引込工事費用(引込済みの場合や、本体価格に含まれることもある)
- 地目変更費用(もともと宅地の場合は不要)
- 開発申請などの申請費用(開発が必要な土地のみ)
- 造成費用(土地によっては不要)
土地によって諸費用は大きく異なります。10万円程度の諸費用しかかからない土地もあれば、数百万円かかることもあるため、事前に諸費用を計算してもらって購入を検討しましょう。
住宅ローン借入に関する諸費用
住宅ローンを借り入れするときにも様々な諸費用がかかります。
- 事務手数料
- 契約書用の印紙代
- 保証料
- 抵当権設定費用
- つなぎ融資の利息
- 火災保険料
金利が低い金融機関は諸費用が高いというケースもあります。総合的に判断して住宅ローンの借入先を考えることが大切です。
住宅購入の諸費用の用語説明や具体的な金額は、こちらのコラムにて詳しく解説しています。ぜひチェックしてみてくださいね。
【注文住宅に掛かる諸費用とは?】
https://ouchi-mall.com/column/1374/
まとめ
住宅購入は30~40代に検討する方が多いです。家族構成に変化があったり仕事に一区切りついたりしたタイミングで購入に踏み切るという方もいます。家族によってライフプランはさまざまなので、自分の将来の暮らしを見据えながら適切なタイミングを考えることが大切です。
家を購入するタイミングの判断材料として、ファイナンシャルプランナーによるライフプランニングが重要なポイントだとおうちモールは考えています。プロの目線から、将来の暮らしやかかるお金を考えることで、住宅購入にかけるべき費用を明確化できます。おうちモールでは、それぞれの家庭に合わせた適正予算を明確にし、お客様にとってベストな家づくりをお手伝いします。住宅購入のタイミングに迷われている方は、ぜひお気軽にご相談くださいね。
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